べにや「無何有」― からっぽのなかの豊かさ―

宿は白山信仰の聖地であった薬師山の高台に建っています。
そこにはかつて薬王院温泉寺の本堂があり、僧たちが経典研究に励むと同時に、
温泉の施浴と薬草の調合等で人々を癒してきたと伝えられています。
どの伝統を受け継ぎ、宿には静かに読書ができる三つのライブラリーや
温泉を湛えた「玄青」と「薄香」、温泉と薬草を用いた施術を行う
スパ円庭施術院が備えられています。

【客室】
全16室。静かで平和な時間が流れています。すべての客室は樹々が枝を広げる自然の山庭に面し、外の風景が中に入り込んで来るような開放感あふれる造りになっています。
また、全ての客室には山庭を望む露天風呂が備えられ、いつでも温泉浴を楽しめます。

【温泉】
泉質─カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉。全ての施術の前にトリートメント効果を高めるために温泉入浴をお勧めしています。
また施術後には、白山の薬草や体質別の生薬を加えた温泉足浴をご用意しています。
温泉には主に以下の効果があります。
「温熱効果」血液やリンパ液の流れが良くなり、新陳代謝が高まり、老廃物や疲労物質を排出できます。
「水圧効果」血管が細くなり、足元に滞っていた血液が押し上げられ、血液の循環を促進。横隔膜や肺が圧迫されるので呼吸回数が増え心肺機能が高まります。
「浮力効果」筋肉や関節の負担が軽減され、筋肉が緩み、緊張が解き放たれリラックスできます。
「薬理効果」については、美肌の湯と言われています。
効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、健康増進などです。

【料理】
自然環境からみた加賀市の最大の特徴は、２つの河川(大聖寺川・動橋川)が他の市町村にまたがらず、水源から河口まで加賀市の中だけで完結していることです。源流となる大日山は標高1368ｍで、海岸までの距離が極めて短いことにより、加賀市は多様な生態系（森林、原生林、半原生林、湖沼、河川、湿地、水田など）を有しています。自然環境の多様性は生物の多様性につながり、生物多様性の指標となる猛禽類の種類は11種と多く、全国で見られる猛禽類の7割にもなります。さらに自然環境と生物の多様性はそのまま食物の多様性につながり、奥山・里山・湖沼・日本海、それぞれに豊かな食材に恵まれています。