山梨県の郷土料理～戦国時代から伝わる甲州の味～

●山梨名物「山本勘助ほうとう」
山梨県韮崎市の老舗「山本製麺所」が手がける「山本勘助ほうとう」は、昭和2年創業の歴史ある製麺所が誇る逸品です。
職人の手によって丁寧に作られた生麺は、太くてもちもちとした食感が特徴です。
特製の味噌は、深いコクと香りが魅力で、寒い季節にぴったりの温かな一品です。

～山梨県民のほうとう事情～
山梨を代表する郷土料理といえば、やっぱり「ほうとう」。
でも実は、山梨県民にとってはとても庶民的な料理で、わざわざ外で食べに行くより家で作る方が一般的なんです。
家庭では大きな鍋に旬の野菜やお肉をたっぷり入れて、幅広のほうとう麺を味噌仕立てで煮込んで完成。
一人ずつ味噌汁椀やどんぶりによそって食べるのが定番スタイル。
しかも、ほうとうは味噌汁みたいな感覚でごはんやおかずと一緒に食べたりもします。
実はこのほうとう、大きな鍋で作ることが多いので、量の加減が難しくて余りがち。
でもそれがまた良いんです。翌朝は熱々ごはんに冷たいほうとうをかけたり、冷やごはんに温め直した“沸かし返し”のほうとうをかけて食べたりと、食べ方はさまざま。
むしろ「わざと多めに作る」という県民も少なくありません。まさに“2日目のカレー”ポジションですね。
ちなみに、しっかり煮込んでとろみがついたタイプが好きな人もいれば、さらっとして麺が固めの方が好み、という方も。
作り方にも好みがあって、これもまた山梨ならではの“こだわりポイント”です。

具材にこれといった決まりはなく、大根・人参・里芋・きのこ・白菜・じゃがいも・油揚げ…冷蔵庫と相談しながら何でも入れちゃいます。
でも「ほうとうといえばかぼちゃ！」これは外せません。
かぼちゃを入れると甘みとコクがぐっと増して、入れなかった自分を後悔するほど（笑）。
冬だけじゃなく、山梨県では一年を通して楽しむ家庭料理なんです。